2008年11月アーカイブ

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「あ、卵を忘れとった。ちょっともう一度行

ってきて」『え、またかー』と心の中で舌打

ちしながら渋々スーパーへ自転車で走る。

 レジで並んでいると「お先にどうぞ」と卵

一パックを持った私を見て、前の若い夫婦の

方が順番を譲ってくださる。ご親切に感謝し

ながら「すみません」と言って代金を支払う。

 空は五月晴れ、わが家の後ろに新緑の皿山

往きと違って、帰りはペタルも軽く心も爽や

か。人使いの荒いカミさんだが、まあいいか。

平成13年7月

 

 

爽やか(さわやか)

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 花はそれぞれの色、形、大小、匂いなどか

らイメージが違ってくる。牡丹=豪華、梅=

気品、水仙=清楚、菫=可憐、etcだ。

 藤はどうだろう。私は艶やかさを感じる。

その色や長く垂れ下った花穂は、豊満な女

性の体や京都祇園の芸妓を連想させ、また、

歌舞伎舞踊・人形・大津絵などの「藤娘」の

艶姿には、男の心を惹くものがある。

 藤房に觸れし火照りは身のうちに(横野茅

花)―『図説俳句大歳時記』・角川書店―

平成13年6月

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 -辞本涯-。その碑(いしぶみ)は五島列

島福江島最北端の三井楽町柏崎に建つ。

 この地は、遣唐使船が水の補給や風待ちを

した、最後の寄港地である。「辞本涯」とは

祖国の最果てを去る、という意味だ。様々な

苦難や死の危険を覚悟して、日本に新しい文

化を築く為彼等は遠い唐の国へ旅立った。

 離島のしかもシーズンオフの旅は私と友人

の二人きりで、周りに人影は無い。目前に広

がる海原を見つめ、黙して当時を偲ぶのみ-。

平成13年5月

 猪や猿などが田畑を荒らすので農家がその

対策に頭を悩ませている事をよく耳にする。

 特に猪は広範囲に出没して、最近は県内の

島嶼部まで広がっているようだ。蒲刈町では

昨年百九十頭も捕獲され、ミカン畑などの被

害額は三億五千万円にも上るそうだ。

 増えた原因は色々あるが、その一つに人間

の食物の味を覚えたことがあげられる。一度

味を占めると忘れられないものとみえる。

 グルメ指向は人間だけではないようだ。

平成13年4月

 

島嶼部(とうしょぶ) 「島」は大きなしま、「嶼」は小さなしまの意味

蒲刈町(カマガリチョウ)広島県呉市にある

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 連日背筋の凍るような凶悪犯罪が報道され

ている。しかも青少年に多発している。成人

式にも悪ガキとしか言えぬ、大人になりきれ

ぬ成人が各地にみられた。全く嘆かわしい。

 私は森首相のように、日本を天皇中心の神

の国とまでは言わないが、せめて信義・礼

節・質実剛健を重んじたサムライ・武士道の

国ぐらいにしても良いのではないかと思う。

 物わかりのよいやさしい父親より、子ども

の我が儘を断固許さぬ厳父が必要だ。

平成13年2月

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「百パーセントの自信があると言いながら、政権奪取の夢が破れた加藤さんも格好悪いが支持率が下がって野中さんに見放されても夢が覚めん、森さんにもあきれるよのー」

「夢が破れるぐらいまだええよ。家や仕事を失い親子が離れて暮らす三宅島の人や、バスジャックのような狂気の殺人犯の被害者はまさに悪夢、ほんまに気の毒じゃ」

「まあ、夢が叶うたのはオリンピックのゴールドメダリストぐらいかあ」

「ほんま、近頃交通事故や犯罪は増え続けるし、わしらはIT革命いうもんにもようついていけんし、夢も希望もありゃせん」

「ところで、あんたは宝くじで三億円の夢は買わんのかい」

「あんとなもんは儚い夢、当たっても人生狂わせるだけじゃわい。夢はヤワラちゃんやキューちゃんのように、努力の上に積み重ねて初めて叶うもんよ」

---師走の巷の片隅で老人達の会話が続く。

平成13年1月9日

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