うまじ~の十行随筆

ぴったり十行で表現する自作作品集

「湯」・・・癒し

by umajii - 4 月 23rd, 2010

 介護疲れを癒しに山口の湯野温泉に行った。

 予約した旅館は、門柱が傾き、看板の字も

薄れて読み難い。手入れが行き届かない庭園

の中の、古びた数件の木造の離れ屋が、宿舎

らしい。思わずカミさんと顔を見合わせる。

 ところが部屋に入ってみると、古さを生かし

たレトロ調で、大屏風や堆朱の座卓などに、却

って懐かしさを感じた。館主が作り、女将が運

んで来た夕食の懐石料理も、美味しかった。

 タイムスリップしたようで、十分癒された。




「笑」・・・めくそはなくそ

by umajii - 3 月 22nd, 2010

 また何か探しとると、カミさんが冷笑する。

バスカードが見当たらないので、最近着た服

のポケットを片っ端から調べているところだ。

 そういう彼女も先日買い物で支払いの時、バ

ッグに入れた筈の商品券がすぐに見付から

ず、店のポイントカードも入れ忘れていた。

 これでは、まるで目糞が鼻糞を笑うような

ものだ。ところが、こんな光景が次第に増え

てくるとなると、笑ってはいられない。

 そこで脳を鍛えるドリル二人分を買った。




葱 ・・・観音

by umajii - 1 月 6th, 2010

 私が昭和50年頃勤務した学校は、観音葱で

名を知られた南観音町の畑の中に在った。

 十行随筆ともしびのM氏、Tさんのお二方

とはそこで初めて出会い、共に同じ学年を受

け持った。勤務校が変わっても同じ仲間として

広島市小学校国語教育の研究に携わった。更

に退職後もこの同人で、腕を磨き合っている。

 今では、観音の葱畑も昔とは逆に、ビルや

住宅に囲まれながらも、まだ健在だ。私達三

人も、葱に負けないように書き続けたい。